喜多方の魅力を掛け算できる場所をつくりたい
東京都→Iターン
木元 葉菜さん(東京都出身)
大学在学中にゼミ合宿で喜多方を訪れたことをきっかけに、喜多方とのつながりが生まれました。大学3年生の時には、市内のワイナリーでインターンを経験。その後、地域の人たちとの交流を深め、マルシェの開催などにも取り組みました。
大学卒業後は東京と喜多方の二拠点生活を経て、令和6年、24歳の時に喜多方へ移住。現在は、レトロ横丁商店街で蔵を活用した宿「hatoba」を運営しています。
初めて喜多方を訪れたのは、大学生の時のゼミ合宿でした。
「最初は、東京から遠いなと思いました」
その後、大学3年生の時に東京での就職が決まり、卒業までの1年間に時間ができたことから、ゼミ合宿でお世話になった市内のワイナリーでインターンをすることに。
喜多方で過ごす時間が増える中、レトロ横丁で見かけたおしゃれな若者たちを見て、「みんなどこで服を買っているんだろう、喜多方に古着屋ってないよなぁ」と思ったことから、古着を扱う活動を始めました。
その後、市内の作家や農家などにも自ら声をかけ、少しずつ地域とのつながりを広げていきます。
「当時は大学生だったこともあって、若さをアドバンテージに積極的に地域の方へ声をかけていきました。地域の方も『東京の若者が喜多方を好きになって、わざわざ来てくれている』という感じで、すごく協力してくれました」
古着の活動はやがてハンドメイド作品や農産物も扱うマルシェへと広がります。
大学卒業後は、週末を中心に東京と喜多方を行き来する生活を続けました。
当初は、地域の人との距離が近いことに不安を感じることもあったそうです。しかし、交流を重ねるうちに、その距離感を心地よく感じるようになりました。
「喜多方の人は、いい意味で特別扱いしないんです。最初はウェットな関係性なのかなと思っていたけれど、実際は温かくて、程よい距離感でした。」
2年間の二拠点生活を経て、令和6年に喜多方へ移住。木元さんが感じる喜多方の魅力は、観光地でありながら、地域の日常が身近に感じられることだそう。
「ふらっと入ったお店でも、店員さんが近所の人に話すような感じで接してくれる。観光していても、日常に片足を突っ込んだような感覚があるんです」
喜多方には、蔵や伝統工芸など、たくさんの魅力があります。一方で、それぞれがつながっていないことを木元さんは「もったいない」と感じていました。
「それぞれの魅力を掛け算できるような場所をつくりたいと思ったんです」
その思いから、マルシェでの活動を経て、より長く喜多方を楽しんでもらえる「宿」という形へと活動を広げました。
今年オープンした「hatoba」は、蔵の魅力を生かしながら、細部までこだわった空間に仕上げています。市内漆器店の漆塗り箸、本郷焼の湯飲み、市内薬草店の薬草を使用した季節ごとのお茶や薬草風呂、会津木綿の部屋着など、泊まることで喜多方や会津の魅力を体感できる工夫が詰め込まれています。
「hatobaは、日常の波を止める場所。エステに行くような感覚で、自分や大切な人へのご褒美として使ってもらえたらうれしいです」
これからは、「hatobaがあるから喜多方に行こう」と思ってもらえるような目的地を目指しています。
「地域のみんなと一緒に喜多方を盛り上げながら、まだまだ知られていない喜多方の魅力を、もっと深掘りしていきたいです」
「喜多方は、思っているほど遠くないし、移住のハードルもそこまで高くないと思います。まずは一度来て、実際に喜多方の良さに触れてみてほしいです」
木元さん自身、言葉で喜多方の魅力を伝えるだけではなく、「自分が活動している姿を見てもらうことで伝えていきたい」と話します。
大学時代の2泊3日の訪問から始まった喜多方との縁。東京から「遠い」と感じていた場所は、いつしか暮らす場所となり、今では新たな人を呼び込む場所をつくるまでになりました。
木元さんはこれからも、人とのつながりを大切にしながら、喜多方の新たな魅力を発信していきます。

hatoba(ハトバ)
住所:喜多方市字三丁目4834
宿泊施設HP:https://hatoba-kitakata.jp/
Instagram:@hatoba_kitakata
※当インタビューは、2026年に行われたものです。